ナミねぇ福井現る!!
最終更新日:2005年9月29日
カテゴリ:ナレッジ通信
9月29日(木曜日)ウェルシティ福井(福井厚生年金会館)で開催された「第31回障害者雇用促進のつどい」における講演のレビュー。
講師は、社会福祉法人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミ氏。
テーマは、「すべての人が、誇りを持って生きられる社会に!」
プロップ・ステーションを立ち上げるキッカケとなるS氏の話から始まる。
将来有望な高校ラグビー選手だったS氏は、ある試合中の事故から重度障碍者となる。病室で死を考えたS氏だが、飛び降りるため屋上へ行く足の力も、ベットから首をつるためのシーツをとる手の力もない。
死ぬこともできない彼がみつけたものは…
「考えられる」ことであった。
そんな彼は親の事業を継ぐためにも、「考えられる」ことで生きるためにも、大学へ進学し学びたいと考える。しかし重度障碍者の彼には、試験を受ける機会も与えられなかった。そこで、彼は鉛筆の代わりにワープロでの受験を提案するのだが、大学側の当初の答えは、「前例がありません」だった。結局は周囲の応援もありワープロ受験を認められ、無事大学へ合格。
このことは、「障碍者の自立」にとって大切なものを示している。
「本人の意思」、「周囲の応援」、「最新科学技術(IT)」である。
S氏は大学卒業後、親の事業の1つであるマンション経営を行う。彼はPC上に自分でデータベースを作り、運営管理し、実際の清掃等は近隣の知的障碍者を雇った。
マイナス面を考え、可能性をつぶしてはいけない。
ナミねぇはS氏の生きかたに触れ、障碍者の可能性を応援するグループを作ることにした。
プロップ・ステーションの「プロップ」とは、S氏のラグビー時代のポジション名である。「prop」の意味には「ささえ合う」という意味がある。「健常者」が「障碍者」を「ささえる」のではなく、お互いに「ささえ合う」ことが大切なのだ。
最初にグループが始めたことは、コンピュータ技術の勉強会である。しかし、当時のPCやソフトウェアは高い。また、講師を頼むとしても趣味でやっているスゴイ人では趣味止まり…、
自分達は生きていくために学ぶのだ。
そこでPCやソフトを作っている会社や技術者・クリエーターに、無料で提供してくれるようにナミねぇが交渉することとなる。
交渉の際にナミねぇが言わないと決めたセリフ。
- 障碍者のために…。
- かわいそうな…。
実際の交渉のセリフ。
「勉強会から必ず会社に欲しい人材が生まれます。だから、先行投資しませんか」。
そして、MicrosoftをはじめとするITベンチャー企業が協力。
当初はPCとインターネットというIT利用だったが、現在ではテレビ会議システムや遠隔授業というITにより可能性が拡大している。
このe-Learning技術により、在宅での障碍者の仕事も増加できる。
来年度より障碍者の雇用に関する法律が改正される。最低雇用率義務違反に関しても、罰金以外に、
障碍者への仕事発注を認めるなど、法律の中味を良くするのは今からである。
ナミねぇ一人の声だけではダメ。
全国の地域から、いろいろな人が声を!!
最後に自分の重症心身障碍児の娘の話。
「32歳の娘が最近手を引いて少し歩けるようになった」、
そんなちょっとした変化がウレシイ。
かわいそうな、たいへんな母ではない。
娘の存在、変化がうれしい。
ただし、娘を残して今死ねるかと言われると…、
だからナミねぇは広報活動をしている。
娘を残して死ねる世の中に変えるために。
-感想-
私が聴いたプレゼン上手度ランキングの2004年度一位は、百式の田口さんですが、2005年度は今のところナミねぇです。(ある意味対極な二人ですが。)
ナミねぇはお涙頂戴浪花節で話す訳ではありませんが、目頭にジィーんときます。
文責:たなか







